ある日、マッサンとエリーが熊虎の番屋を尋ねると、そこにやってきたのは、義理の弟の進と不動産業者?らしい人でした。
すでに息子の一馬との間に、話し合いが進んでいるらしく、一馬は熊虎に無断で、番屋の権利証をその不動産業者に渡したのです。
それを見ていた熊虎は激怒しました。
その権利証は熊虎の最も大事にしてきたものだ、絶対に渡さない、といって、会津の武士だった家に伝わる日本刀を取り出して、鞘から引きぬき、業者を追いかけまわします。
マッサンはじめ、みんなが止めに入りますが、その勢いは止むことなくあわや傷つけそうになります。業者はついにあきらめて権利証を熊虎に返します。
息子の一馬は、そんな熊虎をなじります。
「母を苦労のどん底に置き、死なせてしまったのはあんただ、
姉のハナが教員をやめてしまったのもあんたの借金のせいだ、
自分が農業の研究を夢見て北海道大学で勉強したいという夢を砕いたのもあんただ、」と。
そんな一馬に、先日熊虎の心情を聞いていたエリーは言います。
「熊虎さんは心から一馬のお母さん「シノ」さんを愛していた」こと、「シノさんもまた、熊虎さんにその夢を叶えてもらいたくて、どんな苦労も厭わず頑張ってきた」こと、を
熊虎は言います。
「俺達会津から流れてきた人間は、逆賊と呼ばれた、(明治維新の頃、錦の御旗を掲げる官軍に対し幕府軍として最後まで轍を曲げずに戦った会津戦争で、会津の武士は「逆賊」とよばれた)
そのために、どんなに苦しくても北海道で頑張らねばならなかった、そして、逆賊の汚名を着ながらも必死に頑張り、ついにこの大きな番屋を建てるまでになった、シノはそれをどんなに待ち望んでいただろう、俺はシノにこの家の完成を見せたかった、シノに見せてやりたかった。」と。
そして、熊虎はマッサンに向かって言います。
「あんたは、北海道で日本のウイスキーを造るという夢を持ってやってきた。その夢をこの家で実現してくれ」と言って、権利証を示し、マッサンに買ってくれるよう頼むのでした。
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