昭和15年10月政春の北海道果汁株式会社はついにウイスキーを初出荷にこぎつけた。
売り出すウイスキーのラベルをどうするか、もめた末に「DOUKAH WHISKY」とした。
DOUKAは、北海道果汁のこと、Hは、字数の穴埋めで北海道を意味するとした。
しかし、半年たっても、ウイスキーの売上は全く伸びなかった。
やはり、癖が強すぎるというので、なかなか日本人に馴染めていないのが響いているようだ。
倉庫はもう返品の山になっていた。
俊夫(八嶋智人)が受けている電話も、返品の知らせだった。
ある日、業者がやってきた。大麦の代金を払ってくれという。
石炭の代金を払ってくれという。
会社は、原料代金を滞納する状態になっていた。
政春(玉山鉄二)は、「会社も今はすぐに支払える状況にありません、社員の給料もどうかというところです。なんとか、もう少し待ってください。」と平謝りだ。
社員は、陰で「大丈夫か、この会社?」と疑念を抱き始めている。
政春は、窮地に追い込まれている。
エリー(シャーロット・ケイト・フォックス)は、スコットランドの母へ手紙を出した。
やっと返ってきた手紙は、母からではなく、妹からであった。
母が病の床に付いている、姉さんに会えると元気になるかもしれないので、機会を見て一度帰ってきてほしいとあった。
エリーは、行きたいのは山々なのだが、会社の状態や日本の戦争直前の政治状況に中で、とても無理であることを承知して、ひとり、母の無事を遠くから祈るばかりであった。
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